ほっこり ほわほわ

まあるいラインを描いたほっぺ、

フサのように束になった長い睫毛。

無邪気に笑ったり泣いたりする姿をみて

思わず笑みがこぼれてしまう。

 

血縁にややこしい話がいくつかあり、

その手の話を一手に引き受けていた私。

弟や妹の耳に届いたり、

何かの折に苦しむことがないようにと

クッションになれるようにと努めていた。

 

それぞれが結婚し、

我が家の集まりに他人が入ってくるようになると

親はヘソを曲げ、意固地になった。

 

ややこしくなった親子をみて、

このままでは縁が切れてしまうかも知れない、

そう思って、心配したり、ケンカしたり、
落ち着かない時間が何年も過ぎた。

 

何時もより寒い連休に弟家族はやってきた。

天気が悪いので何処にでかけるでもなく、 家の中で過ごす。

 

慌ただしく夕飯の支度をして

一息つきながらゴハンを食べつつ、

どうなるものだか、と思っていた時、

ぷくぷくほっぺの怪獣が 母の作ったハンバーグを食べて

「おいじい」と言った。

 

目を細めて泣きそうな笑顔の母。

 

子ども向けのゴハンもお菓子も用意しない、

と言い張って譲らなかったのに、

不意の孫の反応が嬉しくて

「子ども用のヨーグルトやアイス、買わなきゃね」

と私に耳打ちをする。

 

あぁ、母は寂しかったんだな、と

その時、やっと気づいた。

ぷくぷくほっぺの怪獣たちは、

たまにしか会わない私たちに人見知りもせず

可愛らしさをここぞとばかりに振りまいてくる。

 

小さい子たちと一緒に

バターになりそうなグルグルかけっこをしながら

凍っていた母の気持ちの変化を噛み締める。

ほわほわとほっこりした空気が家の中を包んでいた。