鳥かご

美術室が私たちの住処だった。

人がいなくなるのを見計らって息を押し殺して

部屋にこっそりと潜む。

たまにくる見回りの先生の目を盗みながら、

校庭の上に輝く月を見ていた。

二人を照らすのは月灯りといくらかの外灯。

私たちは夏の間も長袖のブラウスだった。

今度いっしょにクラゲを見に行く約束をしながら

一つの紙に二人で薔薇を描く。

あなたが好きなのは天使の肖像画

私が好きなのは球体関節人形

薄暗い部屋で静かに花びらを染める。

私たちの時間はその時止まっていた。

幸福な少女の時間。